TANAKABLOG

TANAKA(仮名)の日常と備忘録


夜を使い果たしたい

いつから「早く寝なきゃ」なんて思うようになったのだろう。

夜更かし

学生だった頃は、夜更かしが楽しかった。

たまたま学校で何人か集まったら「鍋する?」みたいな感じで誰かの家に集まって、そのまま朝までグダグダ。酒が無くなっても解散なんかせずに近くのコンビニまで歩いてでも買いに行く。田舎にある大学だったから決してコンビニも近くなかったし、品揃えもイマイチ。

それでも途中で燃料補給してまで、誰かが「締めるか」というまで話し続けていた。麻雀をしてた時もある。どちらにせよ解散するときは大体もう明け方だったけど。それから自転車を押しながら家に帰って、場合によっちゃ牛丼屋に寄って飯を食い、僅かな睡眠を取り、授業に行ったり行かなかったりとそんな暮らしをしていたのだと思う。

何をそんなに話し込んでいたのだろう?とふと思ったのだけど、一体何を話していたのだろうか、いまいち思い出せないのだ。

何をそんなに

バンドのことや音楽のこと、奏法のこととか、あるいは愛やら恋やら多分そんなことを話していたんだと思うんだけど、果たしてそれで朝まで話ができたのだろうか。(ちなみに今服関係のエントリが多めになっている当ブログではあるが、学生時代に服の話で盛り上がったりできる同級生はいなかった)

そして何より驚きなのが、もう10年以上前のことなのに「あの頃は楽しかったな」と自分自身が思っていることなのだ。

例えば旅行に行ったり、美味しい物を食べたりした時のことを具体的な思い出として記憶しているならともかく、何を話したかも覚えていないし身体にもひたすら悪いシチュエーションで学業にも支障をきたし、時間を浪費していたにもかかわらず、「楽しかった」ということは覚えている。

30を過ぎた今、「もしその時間を例えば投資の勉強に充てるだとか、資格の勉強に充てるだとか、あるいは楽器の練習時間に充てるだとか、そんなことをしていれば今もうちょっと違う人生があったのかもしれない」と思うことがないわけじゃない。でもそういった後悔をするというよりは、「楽しかった」という記憶しかないのだ。なんならできるならもう一回したいし、今でもできるんならしたい。都合の良い記憶だけは曖昧なのにはっきり残ったりするもんなんだろうか。そういう思い込みをして自己防衛に走っているのだろうか。

「それはもうお前の脳がイカれているだけだ」と言われてしまえばまぁそれはそれで間違っていないのかもしれないけど、きっと楽しかったんだろうな。

いつからか夜更かしの仕方も忘れて、 夜を充分に楽しめなくなってしまっている。それは仕事を始めたからだとか、結婚して環境が変わっただとか、色々な理由はあるんだと思う。今は確実にコロナのせいだろう。 

夜を使い果たしたい

毎日やってくる夜を、偶には使い果たしてやりたいと思う。少なくともコロナウイルスの問題が収まれば、記念に一度は使い果たしてやらないといけない。今の俺には一人じゃ無理だと思う。誰か気のおけない友人がいればできるかもしれない、できれば未婚の。既婚者を巻き込むわけにもいかないのかもしれない。

そして俺の場合夜を使い果たすためには、大して記憶にも残らないような、無駄な話が必要なんだと思う。雑学王になるわけじゃないけど、そういう無駄なところも増やしていきたい。きっと本当に無駄なことなんて世の中にはあんまりないのだ。雑誌に載ってるちょっとした一言で上司と話が盛り上がるかもしれない。

あ、とりあえず今日は早く寝なきゃ。