太いジーンズが似合わないことについて

ヴィンテージを再現したシルエットのジーンズがあまり似合わないのが悩みだった。

LVCは高過ぎて持ってないんだけど、リーバイス・ジャパンの復刻なら何本か持っている。

俺の僅かなヴィンテージジーンズに関する知識の中で、47年頃の501が細身だったなんて情報はないのだけど、比較的細身に作られている47年モデルならまだ見れなくもなかったけど、55年モデルは太過ぎて購入には至らなかった。66年モデルが一番しっくり来たので、長いこと穿いていたし、今でも手元に置いてある。

シュガーケーンの1947モデルは初めて購入した耳付きジーンズで、今でもたまに穿くんだけど、思い出補正を抜きにしたらあまり似合ってないのかもしれない。リーバイス・ジャパンの復刻と比べたらかなり太いような気もする。

それでも学生の頃にジーンズの雑誌を読んだりして、所謂”XXモデル”として販売されているジーンズのシルエットや色落ちに憧れて購入したこともある。けれど、やっぱり似合わないのだ。

似合わない理由はなんとなくわかっている。

足が細い

これは間違いない。父母どちらに似たのかはよくわからないのだが、身体全体が細身である上に、尻も貧弱、太腿以下はガリガリなのだ。鍛えても鍛えても細くなる。以前よりも穿いているジーンズにゆとりがあるのだ。最近では腹が出てきているのも問題だが、それはまた別の問題。

ジーンズは元々アメリカのワークウエアだったから、アメリカ人向けに作られているのは当然だし、リーバイスがアメリカ人の標準なんだったら、日本人の中でもガリガリな俺には似合わないのかもしれない。当時のアメリカンの平均身長は分からないが、最近では178センチらしい。そして体重は90キロ近いらしい。俺は171センチ62キロ。調子が良ければ172センチ。体重差は約1.5倍にも及ぶ。だから、当たり前に売っているリーバイス501だとウエストがジャストでも腿以下が少しゆるいのだ。

そんなんだからどちらかというと、大学生の頃BEAMSとかで普通に売っていた505とか、606の方がシルエット的にはあっていたと思う。今だと511がそのポジションなのだろう。MADE IN THE USAの511は少しオーバーサイズに穿いていたけど、それでも手持ちの洋服とは合わせやすかった。

ジーンズメーカーへの感謝

元々レプリカジーンズは90年代のヴィンテージブームを受けて、「ヴィンテージは高額で手が出せない」、「もっと気軽に色落ちさせて楽しみたい」、という市場の声から作られるようになったと理解している。

元々はヴィンテージの再現から始まっていて、当然当初はヴィンテージを模したシルエットと縫製のものがほとんどだったんじゃないかと思う。実際大学生の頃の記憶では、ほとんどのメーカーでXXタイプのレプリカが年代ごとに何種類かあるのと、大戦モデル、66モデル、シンチバックのあるもの、XXタイプを少し細身にシルエット変更したもの、いくつかのブランドが505のレプリカを作っていたように覚えている。けれどスキニーに近いものや、テーパードの効いたものはほとんどなかったように思う。バチバチに細身だったジーンズとしてスカルジーンズがめっちゃ欲しかったけど、気づいた時には作られていなかった。

そんな中で、2000年代の終わりになってくると、ヴィンテージの再現というよりは、桃太郎ジーンズのような特徴のあるジーンズを作るようなメーカーも増えてきて、2010年台になると各メーカーが生地や仕様はそのままで、スーパータイトシルエットやテーパードシルエットを作るようになってくれたんじゃないかと思う。例えば今普段使いしているステュディオ・ダルチザンのSD-108のような。

俺の僅かなヴィンテージに関する知識には、こんな細身でテーパードの効いたシルエットで、耳付き、隠しリベットありのジーンズはない。だからきっと、レプリカジーンズというよりは、俺のような足が細い層に向けて作っていただけているんだと思う。

元々は尊敬するバンドマンがジーンズをカッコよく穿いていたのに憧れてジーンズに足を通して、加工物よりもリジッドの方が長く着られるんじゃないかと思ってリジッドジーンズを手に取り、そんなこんなで今はこうやってブログを書いたり、色落ちを楽しんだりすることができている。

流行に合わせてシルエットを変えていくのは当たり前なのかもしれないけど、10年前にはなかったシルエットのものが手に入るようになったんだからどう考えてもメーカーには感謝しかないな。

もう10年以上は自分の中でジーンズブームなんだけど、これはいつまで続くんだろうか。もしかしたらもうブームじゃなくてスタンダードになっているのかもしれない。