TANAKABLOG

TANAKA(仮名)の日常と備忘録


夫のちんぽが入らない(ドラマ版)を観終えた

話題になってるのかどうなのかよく知らないんだけど、Netflixで配信されていたので形ばかりの10連休を使って「夫のちんぽが入らない」を一気に観た。

以下、ネタバレを含む。

あらすじ

女子大生が大学に入学してアパートに引っ越して、その日に出会った先輩男子学生と恋に落ち、初夜に挿入できないまま交際を続け、挿入できないまま結婚する。って言っても全く入らないわけじゃないみたいだったけどね。すごい血が出てしまうみたいで、事実上「入らない」のと同じ、的な。

で、その「入らない」ことが人生のいろんなところで不調をきたしたりとか、子どもができない悩みなどを抱えて過ごした半生を描いた物語、という感じだろうか。

感想

このドラマ、というか小説はぶっちゃけるともうタイトルがこのタイトルである時点で大勝利、勝ちは確定だと思う。幼稚園児から小学生くらいまでが聞くだけ、しゃべるだけで笑顔になってケラケラする、「ちんぽ」という言葉が一番ライトに鎮座している。昔テレビでYouTuberが、「動画はタイトルとサムネで再生数が稼げる」って言ってたけどそれに近いものがあると思う。とにかく人の目を引くと思う。インターネット以外の場面でどのように広告が打たれていたのかは調べたりしてないからわからないけど、インターネット、SNSで広めることを考えたら、すごいインパクトのあるタイトル。

そしてドラマ自体も面白かった。フジテレビが製作、って聞いてタイトルだけインパクトがあって中身は安心安全のものなんだろう、くらいの気持ちで観始めた。けど、あんまりよく知らない若手っぽい女優さんは上半身ヌードになってたし、セックスシーンから始まり、途中はとんでもない性癖を持った人間まで出てくる、そうかと観ていると、途中まで身を滅ぼすレベルで風俗に通っていた夫は心の底から妻を愛していることがわかって心が温まったり、いい意味で期待を裏切られたとても面白いドラマだったと思う。

この物語の中では「したいけどできない」夫婦が描かれていた。私小説ってことだからおそらく事実に基づいたノンフィクションラブストーリーなんだと思うけど、果たして本当に「挿入のない性生活というのは成り立つのだろうか」っていうね。

女子新入生と一つ学年が上の男子上級生が付き合うなんてこれまで地球上でおそらく何万組との事例があっただろうし、付き合わなくても「なんやかんやで抱かれがち」ってヤバいTシャツ屋さんも言ってるから、付き合ったり身体だけでも結ばれたりなんてのはよくあることなんだと思う。俺はなかったけど俺の周りでもあることにはあったしね。

でもそんな状況でも一緒に思い出をたくさん作ったり、愛し合えるっていうのは本当にすごいことなんだろうな。兄弟みたいに仲が良くても身体だけが一向に合わない。セックスレスが叫ばれている現代では悲しいことだ。

仲良し夫婦がセックスレスになってお互いに不倫して家庭崩壊するドラマもあるんだろうけど、そことは真反対のラブストーリー。いや、途中は性欲を持て余した旦那がソープにはまって、それが原因で(それだけじゃないんだけど)奥さんの方は精神を病んで夫婦生活の危機を迎える、っていう場面はあるんだけど、それを夫婦で真剣に向き合って、「セックスってどうあるべきなの」「夫婦にとって子どもとは」と言ったような哲学的な部分もあるんだよね。

途中は夫婦共々風俗だったり不倫だったりで人としては落ちるところまで落ちてるのかもしれないから、そういうところで嫌悪感を覚えてしまう人もいるんだろう(ちなみに俺は風俗よりも不倫の方が悪いとは思ってる。自分が男だからだろうけど)。でもソープランドに通う夫を責めたりせずにソープランドの店舗に向かって「夫をよろしく」って言える奥さんもすごいし、性的にほとんど関わりを持っていない妻に対して常に優しい言葉遣いで接することができる夫もとてもすごい。十分すぎるいい夫婦関係だと思うよね。

夫婦の親は「日本社会あるある」の権化みたいなキャラだったし、妻の方は親子関係もイマイチで母親がとにかく嫌いで、母親も娘が嫌い、っていう関係性とかもリアルだった。

結局最後の最後まで「入らない」理由はわからなくて、子どもも諦めるっていう形で物語は終わるんだけど、「あぁきっとこういう人生を歩むこともあるんだろうな」って思っていろいろ考えさせられてしまった。

少なくとも「入らない」問題はもう俺には関係ないんだけど大学生の頃とか話を聞いてたら同じような「入らない」問題を抱えている女の子はいた。その子がどういう思いで俺を含む周りの人間にカミングアウトしたのかはよくわかんない。でも誰かに打ち明けることってすごい楽になれるし、ここまでこの小説、漫画、ドラマが知られていったら、同じような悩みを抱えている人ってもっと打ち明けやすくなるんだろうな。

こういう周りの人の役に立てるような人間になりたいと切に願う。

雑多な文章だけどこれも自分らしさということで。

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