TANAKABLOG

TANAKA(仮名)の日常と備忘録


柳沢きみお先生について

柳沢きみお先生の漫画が好きだ。

柳沢きみお先生との遭遇

決して街中で出会ったわけじゃない。

初めて柳沢きみお先生の作品で読んだのは、ベタだけど「特命係長只野仁」だった。ちなみに新でもファイナルでもなくて、無印、正真正銘シリーズの最初の作品。

就職活動を終えて、やることが特になくて暇を持て余していたときに、漫画レンタルで読んだのが最初。

ドラマは見たことがなくて、そういう物語というか、作品があることは知っていたし、コンビニコミックで売られているのも知っていた。

いつか読もう読もうと思ってそのままになっていたのだ。大学生の頃リサイクルショップで度々時間潰しに立ち読みしていたけど、その頃はアカギとかを読んでいた。

ドラマをぶっ通しで観ようと思うと疲れてしまうけど、漫画なら自分の読みたいペースで読めるし、これを機に読んでみようと思ったのだった。そうしたらどハマりしてしまって、借りてきた分をすぐに読み終えてしまってまさかの同日二回目のレンタルショップに行き、続きを借りるという行為に出たのだった。

そして未だにドラマは観ていない。いつか観る機会があるのだろうか。観ようと思えば観れるのだけど、きっと観ないまま人生を終えるような気もしなくない。

柳沢きみお先生について

柳沢きみお先生は御年72歳。漫画家って何歳までできる仕事なのかどうかわからないのだけど、すごいと思う。きっと大御所なんだろう。

今でも「月刊柳沢きみおマガジン」が毎月刊行されている様子である。特命課長只野仁として課長になった只野の物語が掲載されている様子である。

お金と本を置く場所が多くあるわけじゃないので、毎月購入して読めていないのが現状であるが、特命課長只野仁にはかなり興味がある。

俺の中では代表作は「特命係長只野仁」であるが、他にも面白い漫画をたくさん書いてらっしゃるようだ。詳しくはWikipediaを見てみていただきたい。

絵は最近の漫画にしてはめちゃくちゃ絵が綺麗というわけではない。だけど逆に味があって惹かれてしまう。

ちなみにこんなエントリを認めている割に、読んだことがあるのは特命係長シリーズと、「the 大市民」だけなのである。漫画レンタルにあれば読みたいのだけど、俺が住んでいるような片田舎には全然漫画を置いていない。コロナウイルスの一件が落ち着いた際には、街中のネットカフェに行って読みたいと思っている。

なので、その二作について触れながら、柳沢きみお先生の魅力についてエントリしたいと思っている。

特命係長シリーズについて

ドラマ化もされており、おそらく俺と同じ年代、30代くらいの方には最も知名度がある作品じゃないかと思う。

改めて説明するのも気恥ずかしいのだけど、普段は冴えないサラリーマンが会長の懐刀となって社内の問題を解決していくハードボイルドサラリーマンのお話。社内は金とSEXとドラッグでめちゃくちゃ。でもこれ平成のお話なのね。

ドラマについては、元セクシー女優の方が出演されたり、お色気シーンが多いのも後押しして人気を博した様である。俺はみていないからあまり語れないのだけど、大学生の頃夜な夜な観ている奴もいた。

先述の通り基本は只野が肉体を活かして戦うシーンや、イケメン床上手を発揮して女性をヒーヒー言わせて情報を得ながら会社内の問題解決を行うのがメインであるけれど、その傍らで語られている「人生とは」「男とは」「死とは」について語られているというところに惹かれてしまったのだ。最初に読んだ当時は20代前半だったけど、読んだのがその頃で良かったと思う。高校生とかで読んでたら多分今以上に捻くれた人間になっちゃってたと思う。

実際にはあり得ないような問題を能力や才能に満ち溢れた主人公がご都合主義的に解決していく、理想型主人公の典型。設定がサラリーマンだから、就職を目の前にした俺に刺さったのかもしれない。

「男としてこうありたい」という主人公だから、惹かれてしまったのだろう、と思ってたけど、実際は柳沢きみお先生の人生観に惹かれたのだと思っている。

THE 大市民について

たまたまスマホアプリで読めた。

正直、好き嫌いがわかれるタイプの漫画だと思う。

山形鐘一郎という小説家と、その周りの日常の物語である。が、山形鐘一郎は事実上作者の分身で、その時その時での作者の思想、人生観の代弁者として描かれている。

そのため、実在する有名人をほとんど名指しで批判したりだとか、プロ野球メジャーリーグに物申すだとか、そう言った描写も非常に多い。Googleで「大市民」について検索しようとすると「大市民 老害」というサジェストキーワードも出てきてしまうのは、そう思っている人が多いからかもしれない。

俺は「漫画家柳沢きみお」が漫画を通じてコラムとか、好きな食べ物について発信しているのだと認識していて、それはそれで面白いんじゃないかと思っている。実績のある人が自分の持ち得る発信源で発信しているだけなのだ。

巻のなかでさえ矛盾した物言いになっているような気もしてしまうのだけど、「柳沢きみお」という一人の人間の食へのこだわりとか、人生楽しんだもの勝ち、金と名誉にこだわってしまっている現代人への批評としては、とても面白いと思う。

今でこそ「飯テロマンガ」というような言葉があるけど、「大市民」シリーズもかなりの飯テロマンガだと思う。作者の食へのこだわりが伝わる物言いも気持ちいい。ただし絵としてはあまり美味しそうではないのだけど。

ちなみにこちらは無印というか、初代シリーズは読んだことがない。

Wikipediaをみると主人公の設定として「妻や子どもが複数人いて、養育費等を払っているから自由な金があまりない」ようなことが書かれているけど、柳沢きみお先生自身もそうなのだろうか。だとしたらかなりクレイジーな方だと思う。

まとめ

柳沢きみお先生について画像検索するとわかるのだけど、かなりイケメンのようだ。「柳沢きみお 若い頃」とかで調べてみてほしい。

最後に「特命係長 只野仁」から気に入っているフレーズをひとつ。

「自分の人生にキチンと四季を持てた人は幸せになる」佐川課長

冬が終わることが人生の最期に喩えられている。春が大凡成人するまで、20代から夏になり、50代から秋が始まる。そして70代が冬で、人生を仕舞う準備が始まる。ということだと解釈している。

その時期その時期でしか体験できないことをきちんと体験していけば、幸せに過ごせるということだと勝手に理解している。

こんないうとめちゃくちゃ宗教臭くなっちゃうんだけど、これまで30年少し生きてきた感じだと的外れでもないような気がするのだ。

ちなみに今なら特命係長シリーズの大部分を「マンガゼロ」というアプリで毎日無料で読むこともできるので、気になった方は是非読んでみてほしい。