TANAKABLOG

TANAKA(仮名)の日常と備忘録


「日本のジーパン」読了

日本のジーパンを語るに欠かせないドゥニームの設立者である林さん(RESOLUTE)の著書を読み終えたので、読書感想文は好きじゃなかったけどblogは大好きなので感想を徒然。

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いつぶりかわからないくらい久々に新書を買った。

大学時代にいろんなジーンズムック本を読んでいく中で林さんのことを知った。当時はドゥニームの設立者としてだった。マルジェラのセーターにリーバイス501、足元はJ.M WESTONのゴルフ(だったと思う)で雑誌に写っていたのが印象的。ジーンズのムック本にはどちらかというとアメカジ感全開の方が多かったので、俺の目にはよりスタイリッシュに映った。当時はリーバイス501しか穿かないと仰っていたのもよく覚えている。ジャストで穿くからベルトもしないとのこと。

「日本のジーパン」

冒頭のとおり、日本のジーパンを語る上で欠かせない人物であられる、林芳亨さんの著書。

妻が買ってきた高い本は貧乏性を発揮してよく読むんだけど、基本的にはいつも小説ばかり図書館で借りて読んでいる。基本的には読書で現実逃避をしたいんだろう。

そんな俺だけど、今回は張り切ってAmazonで購入してまでこの本を読んだ。

正直どんな本なのかもよく調べずに、勢いだけで購入したのだけど、読んでいく中でファッションのことはもちろん、このコロナ禍でのテレワークとか、オンライン会議とか、そういうことについても少し考えさせられてしまった。

良いものは顔を突き合わせないとできないのかもしれない。

どんな本なのか

オレンジの帯は「RESOLUTE」のブランドカラーからだろう。当たり前だけどインディゴブルーとの組み合わせがバッチリだ。

RESOLUTEのブランド紹介から日本のジーンズの紹介、歴史から今の林さんのスタイルが出来上がるまでの話や、ドゥニーム設立、レプリカジーンズブームの到来、リゾルトの設立から現在までが林さんの口調、言葉で記されている。

まず巻頭には林さんのスタイリング集が掲載されていて、これがめちゃくちゃカッコいい。

そのスタイルに行き着くまでも結構詳しく書かれている。

ジーンズのトレンド邂逅もされていて、あまり頭には入っていないけれど自分がリアルタイムでは体験できていない時代のジーンズトレンドについて書されているのは面白かった。

そんな中、林さんは高校時代に履いていたバスのローファーを磨き上げて履き、ジーンズを穿いて営業されていたらしい。それだけですでにカッコ良すぎる。

そんな本人のスタイルも相まってか、周りの人の協力を得ながら林さんはDENIMEとRESOLUTEを創り上げていく。

日本の、大阪発のジーパン(「ジーンズ」という言い方に慣れているので少し違和感がある)を世界に知らしめた経緯が、元一営業マンであった林さんの目線、言葉で綴られているところに浪漫を感じずにはいられない。

ふと気付かされたのは次のシルエットについて。俺と言う人間は普段どれだけ思考が停止していて、良い加減に生きているのかを痛感した。まぁ本を読んで気づければなんの問題もないのだ。

一番大事にされているのはシルエット

「裾上げをしたらシルエットが崩れるので、レングスごとにパターンを起こしている」というのを恥ずかしながら初めて知った。

シルエットに拘っているから各パターンを起こしている、というのも間違いではないのだろう。裾上げしたらシルエットが崩れることについてなぜこれまで気づかなかったのか。

確かにorSlowの107を思いっきり裾上げした時に、「なんかやりすぎたかな」と感じたのを覚えている。それなのかもしれない。

つまり、短い丈で穿きたいのならそれ用に作られたシルエットのものを選ぶ必要があるのだろう。

今一番足を通しているダルチザン108を買う時にスタッフの方が裾上げについて否定的だったのもその辺が関係してるんだろうか。テーパードがきついシルエットの方が裾上げの影響を受けやすいのは確実なのだ。

感想

自分自身、色んなテイストの服を着たいと言う気持ちがあって、例えば下駄箱の中でもVANSがあったり、parabootがあったり、レッドウィングがあったりと動物園の状態になっている。

箪笥の中もそうで、ジーンズも、ジーンズという共通項はあるにしても色んなメーカーの色んなシルエットのモノを穿いている。

林さんも本の中で仰っていたように、歳を重ねてからの太いジーンズの腰ばきはだらしなく見えてしまうかもしれない。特に華奢だと余計にでも。

自分のスタイルとして歳を取るまでにXXタイプが着こなせるようになればいいんだろうけど、この分だと難しそうだ。

これまでは「好きな服」〉「似合う服」だったけど、「似合う服」〉「好きな服」で着て行った方がいいのかもしれない。でも好きなモノを着た方がいいしなぁ。

30代半ば、まだまだ色々と試してもいい年齢だと信じたい。てかそのうち「似合う服」しか着れなくなっちゃうんだろうな。

話は脱線してしまったけど、本の中には「良いものは顔を突き合わせないとできない」的なことが記されている。なんとなくコロナ禍でのオンラインミーティングに対するアンチテーゼのように思えてしまった。

もしかしたら大阪商人の林さんは、オンラインじゃなくて実際に顔を突き合わせないと日本のモノづくりはダメになる、と思っているんじゃないかと勘繰ってしまうのだ。まぁ俺の国語の成績は大体5段階で2とかよくて3なので、きっと間違っているんだろう。

とにかく、読み終えた頃にはRESOLUTEに足を通して、少し洒落た格好をして街に繰り出したくなること間違いなしの一冊でした。

まだまだ108を穿いていくんだけど、ワンサイズ上げた濃紺のRESOLUTE710が欲しくなっちゃったな。